10-2. DNAライブラリー:クローニングの材料
https://gyazo.com/c46126ed3d416a19ff66aa9dd02da825
https://gyazo.com/5abfdb45890b9e11b16e27fd6f807b33
1) ファージベクターを使うか、プラスミドベクターを使うか
利点
扱いやすい
大量のDNAが得られる
細かな操作ができる
法的規制がゆるい
欠点
DNA導入効率が低い
大きなDNAを導入できない
利点
導入効率が高い
一度に扱えるクローン数が多い
欠点
操作が煩雑
組込みDNAのサイズに上限・下限がある
得られるDNAは少ない
実験によってはより厳しい法的規制がかかる
「遺伝子を見つけ出す」という観点から見れば、組込みDNAのサイズが大きくてDNA導入効率が高く、シャーレに多数のクローンを生やせるファージ(特にλファージ)の方がライブラリー作製に適している しかし、ファージは扱いが煩雑で多量のDNA取得には向かず、また一方でプラスミドはBACやPACなどの巨大DNA組込み用のベクターが使え、エレクトロポレーション法による効率的DNA導入法が可能など、ファージの優位性は絶対的なものでもない
2) λファージを使ったDNAライブラリーの作製
概要
ファージの増殖に必須でないDNA中央部が制限酵素切断で除かれているので、そこに制限酵素で切断したゲノムDNA断片を組込む ライゲーションにより、cos同士で連結して多量体化したファージDNAができるが、この構造はパッケージングに必須 できたファージを大腸菌に感染させ、高濃度ファージ溶液を調製する
試験管内でλファージ粒子を形成させる操作
例として、頭部形成と、DNAパッケージングに関する遺伝子に欠陥を持つファージ感染細胞抽出液を別々に用意し、これを組換え操作を経て、ライゲーションで多量体化したファージDNAと混ぜる これにより試験管内でDNAがパッケージングされ、ファージ粒子が形成される
https://gyazo.com/40582f2d696188f8617153bc5d79beac
パッケージングはcosでの切断と同時でないと進まない 3) プラスミドを使ったDNAライブラリーの作製